増田屋 代表 蛭田 実 さん

――お店の歴史を教えていただけないでしょうか
新潟から集団就職をしてきた父親が原宿にあった増田屋で修業をしていてのれん分けという形で桜新町に出店をしたのが始まりです。

――商店街には小さい頃から関わっていたのですか
いいえ、まったく。もちろん近所に友達はいたけど、小学校は松丘だったので桜新町で遊ぶというよりは弦巻の方で遊ぶことが多かったですね。

――お店としては商店街と積極的に関わっていたんですか
昔から商店街の会員ですが、父親は仕事人間だったので商店街のことを率先してやるということは少なかったように思います。うちは飲食店なので青年部の旅行とかお祭りとかの土日に行われる行事には全く参加できませんでした。自分のお店を頑張らなくてはいけないですから。なので、商店街の行事になかなか参加できない飲食店の気持ちもよくわかるんです。

自家製の麺はお店の地下で作られています

――いつ頃から積極的に商店街の活動に参加するようになったのでしょうか
8年くらい前ですかね。青年部には加入していたので時々お酒飲むことはありましたが、お店を継いだばかりで忙しく商店街の行事などにはアルバイトの子に参加をしてもらっていました。でも、その子が就職してからは私が出席をするようになりました。もちろんお店の都合がつくときにはですけど。
商店街の皆さんと仲良くなるキッカケとして覚えていることは、青年部のみんなでお手伝いに行った福岡西新の「勝鷹まつり」。その他にも桜新町にはお蕎麦屋さんがうちのほかに2軒あるのですが、そことは蕎麦屋組合で一緒に動いていたこともあり以前から親しくさせてもらっていました。なので最初の頃、商店街の集まりに上手く馴染めていなかった私に声をかけてくれて輪に入りやすい空気をつくってくれました。

――今は青年部長と商店街の理事も務めていますが要職につくキッカケはありますか
青年部長や理事になったときは推薦をしてもらったのですが、やるからには飲食店の代表としてまちのことに関わろうという想いで引き受けました。
役職とは関係ないですが子どもが生まれてからは、子どもたちを楽しませたいという思いも強くなったかもしれません。商店街でお祭りやイベントをやると近所のお友達も集まってきてとても楽しそうにしているんです。それを見ていると、できることは頑張っていきたいと思うようになりました。

――青年部ってどんな活動をしているのですか
青年部長になってすぐコロナが拡大してしまったので、お祭りや今まであった会合はほとんどできていません。例年は「さくらまつり」や「ねぶたまつり」の準備などは2週間前には動き出しますし、のぼり旗の付け替えや12月には夜警といって火の用心に回ったりします。その他にもイベントがあれば率先的にお手伝いをしています。希望者には毎月積立金をして2年に1回は旅行に行ったりもしていますね。
でも、私の認識としては商店街のみんなと仲良くなる場所なんだと思っています。新しいお店はできているけど昔と比べて横のつながりが弱くなっているように感じます。桜新町以外地域からきてお店を構える人が増えているので、今まで以上にみんなで仲良くなる手段やキッカケを考えていかないといけないと思っています。
私が商店街に関わるようになって多くの人たちと出会うことができたように、青年部長として困ったときには相談ができたり、仕事以外の話をできるような横のつながりを増やしながら、今ある関係性を大切にしていきたいです。

――10年後の桜新町ってどのようになると思いますか
10年後のまちは全く違う形になっているのかもしれない。今の段階でも後継者不足で昔からの個店は少なくなり、今以上にチェーン店や別地域からいろいろな人も入ってくると思います。
その頃には商店街運営を誰がやるのって課題もあると思いますが、会費を集めてお祭りだけ行うイベント会社みたいな組織にはなってほしくないと思っています。
でも、様々な変化が起こる中で10年後自分のお店はやっていけるんだろうかってことが先に立ちます。

――これからの桜新町に必要なことは?
コロナの影響などで前向きに物事を考えられない人が増えてきていると感じています。コロナで生活が大変なのに、お祭りとかまちのことっていっても気持ちが沈んでいてついていけない。だから少しでも多くの人と仲良くなって不安とか心配事なんかを相談しやすい環境をつくっていくことが必要なのかもしれません。

――次は誰にしましょうか
蕎麦屋から蕎麦屋にいってもあれなので…。フジヤ(パン屋)の坂口さんにお願いしたらどうだろう 。よろしくお願いします。

【店舗情報】  増田屋
【 住  所 】   東京都世田谷区桜新町2-1-1
【営業時間】  定休日 木曜日
        11:00-14:30 17:00-20:00 
【電話番号】  03-3420-9111

聞き手 吉池拓磨(桜新町商店街振興組合スタッフ)
インタビュー日:2021年11月25日

test

PAGE TOP